「親じゃないって、こういうこと」
私が「お母さん」だった頃、息子を保育園まで送り迎えしていました。
朝は、息子の黄色いリュックと、お着替えの入ったバッグを持たせ、息子が靴を脱いで教室へ上がっていくのを見守り、それから私も仕事モードへと切り替えていました。
夕方は、いそいそと仕事を終わらせ、延長保育の教室で迎えを待つ息子を、一刻も早く迎えに行きました。
遅番の先生に、息子の今日の様子を尋ねたり、ちょっとした相談をしたりなどするのが日課でした。
さあ帰ろうと息子に声をかけても、園庭で走り回ったり、遊具で遊んだりして、なかなか帰路に就くことができませんでした。
とっても保育園の大好きな子なんだな、と思ってました。
保育参観や七夕の行事には、私と息子とで参加していました。
お父さんやお母さんが揃って参加しているお家が多いのを、私たち親子は横目で見ていました。
父親は仕事で忙しいと言って、家で留守番していたためです。
それなのに。
夫は「強制的な別居と面会の極端な制限」という、息子から母親を取り上げるような仕打ちをしました。
その結果。
私は保育園の先生に「いつもお世話になっております」というご挨拶をすることすら、出来なくなりました。
送迎で顔見知りだったり、よく言葉を交わして下さった先生方も、今は私が息子と一緒に暮らしていないというだけで、急に困ったような対応をされるようになりました。
「ご主人に相談してからお返事させていただきます」
その言葉は、まるで「あなたは子供の保護者ではなく、部外者です」と言われているように、私の心に突き刺さりました。
子供がお世話になっている保育園の先生方は、私たち夫婦の事情をご存じないはずです。
子供にはそれは無関係なので、それをお話するつもりはありません。
仮に、もとは夫のDVや女性関係が原因だとお話したところで、迷惑になるのがオチでしょう。
しかし、一緒に暮らしていないというだけで、こちらは罪人にも等しい扱いを受けてしまうのです。
平日も休日も、いつでも身近に息子がいることが、当たり前。
寝て起きたら、隣に息子が甘えてくっついてくるのが、当たり前。
そして、これからの息子の成長を見守っていくことが当たり前だと信じていたのに…。
「親権者じゃないって、こういうことなんだ…。」
私は離婚した訳でも、息子の親権を失ったわけでもありません。
しかし、息子と一緒にいないというだけで、このような理不尽な目に遭ってしまうのです。
最近、現職の学校の先生にお話を伺う機会がありました。
やはり、子供さんと別居しているお父さんやお母さんが訪ねてくるケースは、学年に一人はあるらしいです。
離婚率が増加している現在において、意外と少ない数字だなとは思いました。
(地域とか、学校の規模にもよるのでしょうけどね。)
先生的には、やはりそれはNGなことで、別居親が学校に訪ねてきた場合は、ただちに監護親に通報するという申し送りがされているのだそうです。
学校でも職員や保護者も首から名札を下げていますし、プライバシーの保護も過剰なくらいに叫ばれている昨今ではそのような対応をやむを得ないのでしょうか。
別居親にとっては、社会的にも益々「子供との引き離し」が進んでいるようにも感じられてなりません。
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コメント
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はじめまして。何年も前のものなのに…
今の私の気持ちと全く同じことが書いてあったので、思わずコメントしてしまいました。
私もこないだ下の娘を一目見たくて幼稚園に行きました。
連れ帰る訳でもないのに…追い返されました。
こないだまで信頼してた人達に…
娘が見ていたので、きっと…小さいながらにママに会ったらいけないんだって思ったでしょう。
まるで自分が犯罪を犯した人間のようで…
とても哀しいです。
投稿: ゆき | 2015年9月 5日 (土) 11時06分
初めまして
コメントありがとうございます
理不尽で大変辛い事ですよね
あれから数年経ち、少しは世の中の認識も変わってきているのかと思いましたが
そうでもない現実があるのですね
私自身も数年経って状況が少し変わりました
どうか、辛抱強く娘さんへの愛情を伝えていって頂きたいです
投稿: 管理人 | 2015年9月 5日 (土) 11時53分